【芝地管理規約】:3. 目土の入れ方に関する細則

芝地管理規約

 

第1条(目的)

 

本規約は、芝生の生育を促進し、健全な土壌環境を維持するために、適切な時期と方法で目土作業を実施することを目的とする。

 

第2条(定義)

 

「目土(めつち)」とは、芝生の上に薄く均一に散布する土壌改良材を指す。芝生の根や茎を保護し、地温や水分を保ち、土壌の通気性や排水性を改善する役割を持つ。

 

第3条(目的別の作業

 

目土は、目的に応じて以下のように作業を使い分けること。

  1. 生育促進・地盤改良のための目土 芝生の生育期(春・秋)に行う作業。根の保護、地盤の沈下等による不陸(デコボコ)の平坦化、サッチの分解促進を目的とする。
  2. オーバーシード時の目土 オーバーシードの際に、種子が風で飛ばされたり鳥に食べられたりするのを防ぎ、発芽を助けることを目的とする。
  3. 部分的なへこみや段差の修正 芝生のへこみや段差ができた部分に、ピンポイントで目土を入れ、平坦な状態に修正する。

 

第4条(実施時期)

 

目土は、芝生の生育が活発な時期に実施することが望ましい。

  • 春期(3月下旬~6月頃):暖地型芝生の生育が始まる時期に実施することで、新芽の成長を促し、健全な芝生づくりに繋がる。
  • 秋期(9月~10月頃):夏の疲弊した芝生を回復させるために有効。オーバーシードと同時に行うのが効果的。

注意:夏の高温期や冬の休眠期に厚く目土を撒くと、芝生が弱る原因となるため、避けること。

 

第5条(実施手順)

 

目土を実施する際は、以下の手順を遵守すること。

1. 準備

  • 芝刈り: 事前に芝生を短く刈り込み、目土が芝の根元に届きやすい状態にする。
  • サッチング: 芝生表面の枯れた茎や根(サッチ)を熊手などで取り除き、目土や水分が土壌に浸透しやすくする。
  • エアレーション: 土壌の通気性を特に改善したい場合は、エアレーション(穴あけ作業)を事前に行う。

2. 目土の散布

  • 均一に撒く: スコップなどで目土を均一に芝生の上に撒く。1平方メートルあたり2~3リットル(厚さ2〜3mm)が目安。芝生の葉先が隠れないように、薄く均等に散布することが重要である。
  • すり込み: 散布後、トンボや熊手の背、または芝生用ほうきなどを使って、目土を芝生の隙間に丁寧にすり込む。

3. 水やり

  • たっぷり散水: 目土を散布した後、ジョウロやホースでたっぷりと水を与える。水やりによって目土が土壌によく馴染み、定着する。

 

第6条(推奨資材)

 

  • 芝生用目土: 市販されている芝生専用の目土は、通気性、保水性、肥料分がバランス良く配合されているため、最も推奨される。雑草の種が混入していないことも利点である。
  • 川砂・洗い砂: 土壌の水はけを特に改善したい場合に、目土に混ぜて使用することがある。保肥性はないため、単体での使用は推奨されない。

 

第7条(注意事項)

 

  • 過剰な散布は厳禁: 一度に大量の目土を撒くと、芝生が窒息して枯れる原因となる。特に冬季は、光合成ができなくなり、深刻なダメージを与えることがある。
  • 定期的な観察: 目土散布後は、芝生の様子をこまめに観察し、水切れがないように管理すること。
  • 病害虫の予防: 健全な芝生を維持するためには、目土作業と並行して病害虫の予防にも努めること。
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