目次
序論:コーヒーの三つの波(Three Waves of Coffee)
| Wave(波) | 時代 | 特徴 | キーワード |
| 第一の波 (First Wave) | 〜1960年代 | 普及の時代。コーヒーの大衆化。 | 安価、大量生産、インスタント |
| 第二の波 (Second Wave) | 1960年代〜 | 体験の時代。シアトル系コーヒーの定着。 | スターバックス、エスプレッソ、カフェラテ、空間 |
| 第三の波 (Third Wave) | 2000年代初頭〜 | 品質・農産物の時代。豆の個性とトレーサビリティを重視。 | スペシャルティコーヒー、シングルオリジン、クラフトマンシップ |
➡️ サードウェーブの定義:
コーヒーを「農作物」として再評価し、その品質とトレーサビリティを最も重要視するムーブメント。単なる飲み物ではなく、「豆本来の個性」を最大限に引き出す文化。
1. サードウェーブの3大特徴
サードウェーブを構成する、必須の3要素。
| No. | 要素 | 定義と重要性 |
| ① シングルオリジン (Single Origin) | 単一の農園や地域で獲れたコーヒー豆。 | ブレンドせず提供することで、豆が持つ個性的な風味やテロワール(生育地の特性)を味わうことを目的とする。 |
| ② 浅煎り (Light Roast) | 豆を浅く焙煎するスタイル。 | 深煎りとは対照的に、フルーツのような華やかな酸味や繊細な香りを引き出す。豆本来の風味を味わうための技術。 |
| ③ ハンドドリップ (Hand Drip) | エスプレッソマシンに頼らず、バリスタが手作業で丁寧に一杯ずつ淹れる抽出方法。 | 浅煎り豆の複雑な風味を最大限に抽出する。サードウェーブのクラフトマンシップの象徴。 |
2. 「豆から一杯まで」の物語:流通と持続可能性
サードウェーブが価値観を大きく転換させた、倫理的・持続可能性の側面。
| 概念 | 定義 | 意義 |
| ダイレクトトレード (Direct Trade) | コーヒーショップ・ロースターが、仲介業者を挟まずに生産者と直接取引を行う流通方式。 | 生産者に正当な対価が支払われ、高品質な豆を継続的に作るモチベーションが生まれる。(=持続可能性に貢献) |
| トレーサビリティ (Traceability) | 豆の追跡可能性。産地、農園、生産者、精製方法などのストーリーが明確であること。 | コーヒーを「作り手の顔が見える農産物」として価値を高め、消費者へ透明性を提供する。 |
3. 自宅で楽しむための抽出のコツ(実技・筆記対策)
浅煎りシングルオリジンを自宅で美味しく淹れるためのポイント。
| 要素 | 推奨条件/アクション | 理由 |
| お湯の温度 | やや高め(90℃前後を目安) | 浅煎り豆は硬く、風味成分が抽出しにくいため、高い温度でしっかりと成分を引き出す必要がある。 |
| 抽出時間 | 短時間(3分以内) | 抽出に時間をかけすぎると、豆が持つフルーティーな酸味が過度に強くなってしまうのを避けるため。 |
| 蒸らし | 粉全体に均一にお湯を行き渡らせる。 | 浅煎り豆の複雑な成分をムラなく抽出するための基本工程。 |
まとめ:サードウェーブの価値観
サードウェーブは、単なる流行ではなく、コーヒーを「大量生産・消費の飲み物」から、「品質・個性・透明性」を徹底的に追求する文化的な変化である。
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シングルオリジン
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ダイレクトトレード
トレーサビリティ


