7:アメリカーノとロングブラック:製法と風味の差異【コーヒーマイスター合格note】

コーヒーマイスター合格ノート

概要:基本情報と共通点

 

項目 内容
定義 いずれもエスプレッソお湯で割った(希釈した)ドリンク。
目的 エスプレッソの風味を保ちつつ、飲みやすい量と温度に調整すること。
主産地 アメリカーノ:アメリカ発祥とされる(第二次大戦中に米兵がエスプレッソを薄めたのが起源とされる説あり)。
ロングブラック:オーストラリア、ニュージーランド(オセアニア圏)発祥。

 

最重要ポイント:抽出(注湯)の順番

 

アメリカーノとロングブラックの本質的な違いは、エスプレッソとお湯を入れる順番のみであり、この違いが風味・口当たり・見た目(特にクレマ)に影響を与える。

ドリンク名 作成手順(順番) クレマの状態 風味の傾向
アメリカーノ (Americano) エスプレッソ → お湯(後から注ぐ) お湯によってクレマが破壊されやすい 均一まろやかな味わい。エスプレッソの風味が穏やかになる。
ロングブラック (Long Black) お湯 エスプレッソ(上から注ぐ) クレマが保持されやすい(エスプレッソがお湯の上に浮くため)。 エスプレッソの風味が強く芳醇。飲み始めは濃く、飲み進めると味が変化する。

 

詳細比較:クレマと味わい

 

 

1. クレマの維持(見た目・香り)

 

  • ロングブラック
    エスプレッソがお湯の上に優しく注がれるため、エスプレッソ特有の泡であるクレマがカップの表面に美しく保持される傾向がある。クレマは揮発性の高い香り成分を閉じ込めているため、香りがより豊かに感じられる。
  • アメリカーノ
    後から注がれる熱湯によって、クレマはほとんど消失してしまうか、薄く散ってしまう。

 

2. 風味と濃さ

 

  • ロングブラック
    クレマが残り、エスプレッソが上層に留まるため、濃厚で力強い風味が楽しめる(特に飲み始め)。

    • お湯の量がアメリカーノより少ない場合があり、その点からも濃く感じられることがある。
  • アメリカーノ
    最初からお湯と混ざり合うため、全体的にすっきり均一で、マイルドな味わいになる。

 

3. 補足(アメリカンとの違い)

 

  • アメリカーノ/ロングブラック
    エスプレッソベース(深煎り豆を主に高圧抽出)。
  • アメリカンコーヒー(日本でいう):
    ドリップコーヒーの一種(浅煎り豆を主に通常のドリップで抽出、または濃いめに淹れたドリップを希釈)。製法も使用する豆も異なるため、混同しないこと。
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