アドラー心理学、別名「個人心理学」は、
精神科医アルフレッド・アドラーが考え出した学問です。
一番大事なのは、人が何かをするとき、
過去のせいにするのではなく、
未来の目標に向かって進んでいる、
という考え方です。
Ⅰ. イチジクに隠されたメッセージ：自分の花をどこで咲かせる？
イチジクって、「花が無い果物」って書くけど、
実は実の中でこっそり花を咲かせてるんです。
これはまさに、アドラー心理学の「目的論」そのものではないでしょうか。
過去じゃなく、未来を見る
普通は、
「花が咲かないから、実もダメだ」って過去のせいにしがち。
でも、アドラー心理学は、
「イチジクはちゃんと実をつけるために、特別な方法で花を咲かせてるんだ」
と考えるんです。
過去の嫌な思い出や失敗は、
成長するための栄養にはなるけど、実そのものにはならない。
アドラーは、
過去の経験を「こうするしかなかったんだ」って
言い訳に使うのです。
例えば、「昔いじめられたから、人と会うのが怖い」って人は、
「傷つきたくない」って目的のために、過去を利用してる。
自分で決めるから面白い
イチジクが実の中で花を咲かせるように、
私たちの人生の花も、自分の中に咲いてるんです。
アドラー心理学では、生き方を「ライフスタイル」って呼ぶが、
これは生まれつき決まってるんじゃなくて、
10歳くらいのときに自分で選んでるって考えるのです。
イチジクが実の中で咲く道を選んだように、
自分の人生も自分で決められるのです。
Ⅱ. 「一果一葉」の教え：線引きと仲間意識
イチジクを育てるコツに、
「一果一葉」、つまり葉っぱ一枚で実一つを育てるって方法があります。
これって、
アドラー心理学の「人間関係」と「人生の課題」の考え方とそっくりなんです。
人のことは、人が育てる
「一果一葉」は、「課題の分離」を表しています。
人の実に、自分の葉っぱを伸ばしすぎちゃダメ。
相手の選択や気持ちは、相手の問題だから、
私たちがどうこうできることじゃないんです。
アドラーは、人間関係の悩みは、
相手の領域に踏み込んだり、
自分の領域に踏み込まれたりすることで起こる
としています。
自分の実を育てることに集中して、
相手を信じて見守ることが大切なんです。
みんなで実をつける
イチジクの木全体を見ると、
たくさんの葉っぱが程よい距離を保ちながら、
太陽の光を分け合って、
たくさんの実をつけています。
これこそが、
アドラー心理学の目指す「共同体感覚」なんです。
「共同体感覚」っていうのは、
「私はみんなの役に立ってる」って思えることと、
「ここにいてもいいんだ」って安心できること。
課題を分けて、
相手を「敵」じゃなくて「仲間」だと思って、
貢献することで自分の価値を感じること。
イチジクの葉っぱや実がお互いを認め合うように、
自分を認め（自分には価値がある）、
相手を信頼し（相手は仲間だ）、
貢献する（相手の成長を助ける）ことが、
幸せへの道だと。
Ⅲ. 白い液体の役割：勇気をくじいたり、与えたり
イチジクの葉っぱや枝を切ると、
白い液体が出てきます。
これには、タンパク質を分解する酵素が入っていて、
生命力を感じます。
これは、アドラー心理学の「勇気」とにています。
「勇気をくじく」毒
白い液体が傷口から出るように、
きつい言葉や干渉は、
相手の「勇気」をくじく「毒」になります。
アドラー心理学では、
問題行動の原因は
「劣等感」や「勇気をくじかれた経験」
にあるって考えます。
「どうせ私には無理だ」って諦める気持ちは、
昔言われたことや、
ダメ出しされたことによってできた心の傷から出てくる
「毒」みたいなものなんです。
「勇気づけ」という薬
でも、この液体は消化酵素として、
イチジクコバチを助けて実を熟させる役割も持っています。
アドラー心理学は、
この液体を「勇気づけ」っていう薬に変えることを教えてくれます。
相手を勇気づけるっていうのは、
「結果」じゃなくて、
「頑張ってる過程」や「存在そのもの」を
認めてあげること。
「よくやったね」じゃなくて、
「一緒にできて嬉しい」「次も頑張ろう」
って伝えること。
そんな温かい励ましこそが、
相手が自分の花を咲かせて、
実をつけるための力になるんです。
イチジクの木が、葉っぱ、花、実、そして白い液体というすべての要素を持って生きているように、
アドラー心理学は、自分を認め、
相手と協力する勇気を持って、
それぞれの人生を実りあるものにしていく道を示してくれています。
