第1条(目的)
本規約は、冬季休眠期や一時的な生育不良によって変色した芝生の美観を維持するため、
安全かつ適切な方法で芝生専用塗料(芝生用着色剤)を使用することを目的とする。
これにより、年間を通じて緑の景観を確保し、芝生地の魅力を高める。
第2条(定義)
「芝生専用塗料(芝生用着色剤)」とは、
休眠期や生育不良によって茶色く変色した芝生の葉に直接着色することで、
一時的に緑色に見せるための非植物毒性(植物に害がない)の着色剤を指す。
これは植物の光合成を阻害しないよう設計されており、一般塗料とは異なる。
「暖地型芝生」とは、高麗芝や野芝など、夏季に活発に生育し、
冬季には休眠して茶色に変色する芝生品種を指す。
「寒地型芝生」とは、ライグラスやケンタッキーブルーグラスなど、
低温環境下でも生育が可能で、冬季でも緑色を保つ芝生品種を指す。
第3条(芝生専用塗料の目的と効果)
芝生専用塗料は、以下の目的と効果のために使用される。
- 冬季の美観維持:
暖地型芝生が休眠期に入り、茶色く枯れた状態になる冬季に、人工的に緑色を付与することで、年間を通じて美しい緑の景観を維持する。オーバーシードが困難な場合や、短期間での緑化を目的とする場合に特に有効である。 - イベントや催事での利用:
結婚式、ゴルフ大会、庭園開放などのイベント時に、芝生の緑を鮮やかに見せたい場合に短期間で効果を発揮する。 - 生育不良箇所のカモフラージュ:
病害、日照不足、水不足などにより部分的に生育不良となり、変色した箇所を目立たなくする。 - 環境負荷の低減:
オーバーシードに伴う水やりや肥料、種子購入などのコストや手間を削減し、環境負荷を低減する選択肢となり得る。
第4条(塗料の選定基準)
芝生専用塗料を選定する際は、以下の基準を遵守すること。
- 芝生専用であること:
必ず芝生専用として市販されている製品を使用すること。一般塗料や染料は、芝生に害を与えたり、土壌汚染の原因となる可能性があるため、絶対に使用しないこと。 - 非植物毒性:
芝生の光合成や呼吸を妨げず、根や葉に悪影響を与えない成分で構成されていること。 - 耐候性・持続性:
降雨や散水によって容易に色落ちせず、一定期間(通常1〜3ヶ月)緑色が持続する製品を選ぶこと。 - 自然な発色:
不自然な人工的な緑色ではなく、芝生本来の自然な色合いを再現できる製品を選ぶこと。 - 安全性:
人体やペット、環境に対する安全性が確認されている製品を選ぶこと。
第5条(実施時期)
芝生専用塗料の散布は、以下の時期に実施することを推奨する。
- 暖地型芝生の休眠期(11月~3月頃):
暖地型芝生が完全に休眠し、緑色が失われ始める時期に散布することで、効果的に冬季の景観を維持できる。 - 一時的な変色時:
イベント開催前など、特定の時期に芝生の色を改善したい場合に、必要に応じて散布する。 - オーバーシードと併用する場合:
オーバーシード後の寒地型芝生が十分に生育するまでの間、既存の暖地型芝生の茶色を目立たなくするために併用することも可能である。
第6条(実施手順)
芝生専用塗料を散布する際は、以下の手順を遵守し、安全かつ均一に塗布すること。
1. 準備
- 芝刈り: 塗布前に芝生を短く刈り込み、均一に塗料が付着しやすい状態にする。
- 清掃: 芝生上の落ち葉やゴミ、刈りカスなどをきれいに取り除いておく。
- 保護: 塗料が飛散しても問題ないよう、周辺の樹木、花壇、構築物、舗装面など、着色したくない場所には養生シートや新聞紙などを敷いて保護すること。強風時の散布は避けること。
- 安全対策: 作業者は、保護メガネ、ゴム手袋、汚れても良い服装を着用すること。
2. 塗料の準備
- 希釈: 製品の指示に従い、規定の希釈倍率で水と混合する。濃すぎると不自然な色合いになったり、芝生に負担をかける可能性がある。薄すぎると効果が不十分になる。
- 攪拌: 希釈後、塗料が均一になるようによく攪拌する。
3. 塗布作業
- 均一な散布: 噴霧器(ハンドスプレー、蓄圧式噴霧器、動力噴霧器など)を使用し、芝生全体に均一に散布する。ムラになると不自然な仕上がりになるため、注意深く作業を行うこと。
- 重ね塗り: 一度に濃く塗布しようとせず、薄めに散布し、乾いてから必要に応じて重ね塗りを行うことで、より自然な色合いと均一な仕上がりが得られる。
- 乾燥: 散布後は、塗料が完全に乾燥するまで、芝生への立ち入りや散水を避けること。乾燥時間は、製品や天候によって異なるため、製品の指示に従う。
4. 後片付け
- 噴霧器の洗浄: 使用後の噴霧器は、塗料が固まらないよう、速やかに水でよく洗浄する。
- 養生材の撤去: 塗料が完全に乾燥した後、周辺の養生材を撤去する。
第7条(注意事項)
- 光合成への影響:
芝生専用塗料は光合成を阻害しないよう設計されているが、あまりにも厚く塗布しすぎると、光合成を妨げる可能性があるため、適量を守ること。 - 発育不良の根本解決ではない:
塗料はあくまで一時的な着色であり、芝生本来の生育不良や土壌の問題を根本的に解決するものではない。必要に応じて、エアレーションや目土、施肥などの適切な管理作業を継続すること。 - 色落ち:
長期間の降雨や摩擦、芝刈りによって徐々に色落ちするため、持続期間に応じて再塗布が必要となる場合がある。 - 肌への付着:
塗料が皮膚に付着した場合は、速やかに石鹸で洗い流すこと。 - 凍結時の散布回避:
気温が0℃を下回る凍結の恐れがある条件下での散布は、塗料の定着が悪くなる可能性があるため避けること。

